ファイティング・ファンタジーの『デストラップ・ダンジョン』をプレイする。
社会思想社から出た初期のバージョンではなく、ホビージャパンから出た新訳版の1冊だ。旧題は『死のワナの地下迷宮』。
個人的にはイラストは決して悪くないと思っているのだけど……。
私は『死のワナ~~』を持ってなかったから即購入したが、世の中には金も出さないくせに文句だけは多いオールドファンが多く、評判はずいぶんとよろしくない。原作者も嫌がったって噂だからしょうがないかもだが。
当時は確かクイーンズブレイドが大人気だった時期だから、イラストを女の子にしたら売れるんじゃないかって判断したこと自体は仕方ないだろうしなー。
実際には、このシリーズ3冊で終わってるから、たぶん売れなかったんだろうけど。
表紙だと女戦士の伝統ビキニアーマーが目立つが、口絵も見れば男も裸であることがよくわかるので、最初に書いた通りイラストに関しては個人的には嫌いじゃない。
とはいえ、手放しで評価できると思ってるわけでもない。
本来キャラクターがないファイティング・ファンタジーの主人公に『女戦士のフィリア』というキャラクターをつけている……のは、いい。
物語は旅の女戦士フィリアが、ファングの町の領主・サカムビット公が毎年開催する『最強戦士決定戦』へ腕試しのため参加するというもの。
決定戦などと言いつつ、そもそも生き延びた者がかつて1人もいないというデスゲームだ。
不敵な女戦士フィリアの姿がプロローグで語られる。
……そこまではいいのだが、本文になると旧版ファイティング・ファンタジーと同じく、二人称視点の進行になる。『君は~~』と語られる奴だ。
名前のないヒーローならそれもいいのだけど、こうはっきり主人公を前面に出した上でこれをされると、『いや、私はビキニアーマーの女戦士じゃないんだけど……』という気分になってしまう。
どうせなら本文もしっかり戦士フィリアに合わせて書き直してくれればいいのに、思い切りが足りないなーというのが正直な感想だ。
まあともあれ、つまり中身は原作通りということだ。
技術点は高いが運は悪い戦士フィリアを作成して1周目のゲーム開始。
本文中のイラストを見れば、イラストレーターさんはしっかりファンタジーの絵を描ける人だなーと感じるので、やっぱり私はプロローグと本文のちぐはぐさが一番気になるなあ。
ともあれ、タイトル通りのデストラップに引っかかって、毒ガスを吸って1周目の戦士フィリアは死亡。
これ、買った当時にも引っかかった記憶があるな……。
完全予約生産のはずのファイティング・ファンタジー・コレクションだけど、Amazonではまだ手に入るらしい?