DVDが旧作になってたので見てみたけど、微妙……。
小説はすごい面白かったんだけどなあ。
2時間弱に原作の多様な要素をとりあえず無理やり押し込めてみました、って感じ。
特に、最後に主人公が対決する相手が単なる殺人鬼ってのがなー。〈暗鬼館〉という舞台をまったく生かしてない。
原作では、最後に対決する相手は、しっかりこの館のルールにのっとって殺人をしなきゃいけない理由があったんだけどなあ。
とりあえず気になるのは、主人公がミステリファンっていう設定消えてるのはなんでだろう?
原作と違って凶器についてるカードに元ネタでの詳しい使われ方が書いてないのは、画面で見せなきゃいけない映画の都合上仕方ないだろうけど、『まだらの紐』とか『僧正殺人事件』とだけ書けばみんなわかると思ってるんだろうか。そういう古典の有名ミステリがあることくらいは私でも知ってるけどさ。
凶器を見つけたときに台詞で解説入れるだけでもわかりやすくなったと思うんだけどなあ……。
ヒロインとか、ライバル(?)的なキャラの立ち位置も原作と変えてあるけど、さしたる意味も感じられないし……。
映画オリジナルのエピソードもあって、そのせいで主人公が疑われたりするのかなーと期待したのに、そんなこともまるでなく。
まあ、10人の登場人物をしっかり描いて、しかもサスペンスを演出するなんて2時間の映画じゃ難しいよねって話ではある。
原作はかなり分厚い小説だったからなあ。もとは12人だったから、2人減らしてはいるんだけど。
TVシリーズでやったらもうちょっとマシな内容になったんじゃないかなー。
藤原竜也主演のサスペンスなら、カイジのほうがはるかに面白かったな。あれは長い原作をうまく2時間に落としこんでたと思う。(いや、原作は引き延ばしがひどいから意外と長くないのかもしれないが)
とりあえず、映画の宣伝で興味を覚えた後、原作だけ読んで映画館に足を運ばなかった自分の選択は正しかったらしい。
単に行く暇がなかっただけだけど。