
- 作者: 小河正岳,津雪
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/12/10
- メディア: 文庫
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ウェスタディアの双星は、銀英伝とか星界シリーズのような戦記もののスペオペだ。
この作品の銀河には2つの大国があって、両国の間には13の小国がひしめいている。と言っても、小国は2国を除いて大国のどちらかの属国となっている状態。
独立している2国の片方がタイトルにもなっている『ウェスタディア』であるわけだ。
国王の卓越した政治手腕でどうにかこうにか両大国からの独立を保っていたウェスタディアだが、その国王が急逝してしまう。
後を継げる立場にいるのは、修道院に入っていて政治のことなどまったく無知、それどころか自分が国王の娘だということさえ知らなかったな王女ルシリアのみ。
窮地におちいったウェスタディアの明日はどっちだ!?というのがシリーズの根幹となる。
タイトルの『ウェスタディアの双星』は軍を率いる若き提督バドエルと、天才少年軍師アルファーニのコンビにつけられた二つ名だ。
ルシリアと双星、そしてルシリアを補佐する家臣チェザーリの4人を中心にとして、ウェスタディアを襲う危機を切り抜けていくストーリーが展開されていた。
大国の片方と同盟を結んでどうにか生き延びたウェスタディアだったが、最終的な目標として13の小国が協力し合って『第3の大国』となることが早い段階から騙られていた。
第7巻においてようやく、ウェスタディアは他の小国2国と同盟して大国から独立する。
最終巻は、当然行われる大国からの制裁を切り抜ける話だ。
2万隻の艦隊を送り込んできた大国ルフェールに対し、ウェスタディア側の戦力は同盟国からの援軍を入れても1万3千隻。
さらに、同盟国の艦隊との合流を待つためにはウェスタディア外縁部にある星を見捨てなければならないが、指揮官であるバドエルは各個撃破されるリスクを背負ってでもその星を守ると強硬に主張し、相方であるアルファーニとケンカ別れしてしまう。
基本的に圧倒的に不利な状況からの逆転がテーマになっていたシリーズなのだが、最後までしっかりそれを続けてくれた。
実のところ、自分はこの手の戦記ものはあんまり読まない。難しそうだから。
しかし、ウェスタディアの双星はわかりやすい文章を使って、バドエルとアルファーニが率いる艦隊戦を華々しく描写していてとても楽しめた。
全8巻は長いような短いような微妙な感じ。もう少し読んでみたかったような気もするなー。