操作をミスして落下したり、壷や宝箱を取るために落下したり、敵の攻撃を食らって落下したりしながら、アドルは時計塔を登りきる。
空中回廊を抜けて城の天守閣に入ると、チェスターがマクガイア伯を襲っていた。
マクガイア伯は、ジェノス島の民の協力を得たいと考えていただけで、皆殺しにするつもりはなかったと命乞いをした。
チェスターは耳を貸さずにマクガイアを斬ろうとする。
そこに、アドルが入ってきた。
チェスターはイルバーンズの遺跡で戦ったときと違い、剣を二本構えており、攻撃パターンが増えている。
といっても、攻撃は大して激しくはない。厳しいのは動きが早く、広いマップを縦横無尽に動き回る点。しかも、腕輪の魔法が通じず、時折バリアを張って剣の攻撃すら防いでくるのは以前戦ったときと変わらない。
前回は適当に突っ込んで斬りまくっていれば勝てたが、今度はそんなに甘くはなかった。
立ち止まって二連続で飛ばしてくる光弾を飛び越えた後に一撃斬って逃げるのと、隙が大きい尖った光を放ってくる攻撃の後に連続で斬りつけるのを繰り返す。
また、攻撃一発一発はあまり強力じゃないので、ブーストモードが使えるようになったらとりあえず発動させて斬りまくる。
しかし、倒せない。
……二、三回挑戦したところで、一度戻った。レベルを上げて再挑戦。
でもやっぱり倒せない。
レベルをさらに上げていこうかと思ったが、今上がったばかりなので結構道のりが遠い。
金はそろそろ余っているので、一度だけ死んでも復活することができる『精霊の首飾り』を買ってこようかと思ったが、ここで頼るようではジェノス島の最終決戦はおぼつかない。
他の強化手段として、武器防具を鍛えるというものがある。
ただし、これにはラバール鉱という鉱石が必要。敵があまり落とさずもっぱら宝箱から手に入れることになるので、できれば最後の武具を入手するまで溜めこんでおきたかったのだが……。
結局、ラバール鉱はジェノス塔でも手に入るだろうと楽観して、盾と鎧を鍛える。二段階まで鍛えられるようなので鍛えておく。
そして再挑戦。たった防御力4の差でしかないが、これが結構大きかったりする。具体的な計算式とかは知らないのだけど、減るダメージは4程度ではないのだ。
HPに結構余裕ができ、数回の挑戦でチェスターを撃破した。
傷ついたチェスターは、それでも復讐を諦める事はなかった。屋上へと逃げたマクガイアを追って、走っていく。
チェスターはアドルを押しとどめてマクガイアを斬ろうとするが、エレナが現れてそれを止めた。
エレナはチェスターの話を聞き、ジェノス島の民が虐殺されたときのことを思い出していた。だが、その上でなお、チェスターの復讐を止めようとした。
妹に止められて、さすがにチェスターも迷いを見せる。
そのとき、地震が起こった。
マクガイアを問い詰めるが、彼は何も知らないと答える。ジェノス島の虐殺も時計塔の建造も、ある人物に従っただけだと言うのだ。
その人物とは、アドルたちに協力していたニコラス司教のことだった。
司教はチェスターの復讐にも力を貸していたらしい。彫像を利用することを教えたのは司教のようだ。
マクガイアとチェスターを操っていた司教の真の目的は、彫像の力でガルバランを復活させることだった。
チェスターとアドルは司教に攻撃するが、手も足も出ずに倒されてしまう。
司教はガルバランを復活させる最後の鍵として、魔道士デュラーンにエレナを連れ去らせる。そして、ジェノス島へと転移していった。
レドモントの町に戻ったアドルは、ジェノスの意思を受け継ぐ者としてエレナやガルバランのことをフェルガナの人々に託される。
重傷のチェスターからジェノスの武器であるブレイブソードを渡され、鍛冶屋で鍛えたところで今日は終了。
レベルは現在43。